2017年06月20日

田村悟史コレクション、SPレコードと蓄音機


IMG_1853-1.JPG



膨大な数のSPレコードと蓄音機の(故)田村悟史コレクションを九州大学の総合博物館が譲り受けたということでお披露目がありました。
研究されている九州大学の先生によって、蓄音機の工学的な詳しい説明と、SPレコードが作られた当時の背景などを5時間に渡って熱心に講義されました。

ところでSPレコード、蓄音機という言葉が分かるのは年配者だけだと思います。
私は小学生のころに卓上式のものから音が出ているのを聞いたことはありますが、かん高い音とパリパリというノイズの記憶しかありません。
それと電気を使わずゼンマイが動力でしたから、途中から巻かないと段々と回転数が落ちて間抜けな音になりました。
そんな前知識しかありませんでした。

しかし大講義室の正面に置かれた高さ70cm位、幅が50cm位の木製の箱=蓄音機からは大音量で、音質も全く遜色なく、美空ひばりなどの歌が流れました。
大講義室ではマイクを使わないと後ろまで声が通りませんので、蓄音機の音もマイクを通して聞こえるようにしているのかと思っていましたが生の音でした。
動力はゼンマイ、音は共振させることによって大きな音を出すようになっていました。
電気はもちろん、電池1本、電子回路など全く使っていません。

SPレコードから鉄針を通して伝わった振動は約5cm位の金属板を振動させ空気の振動に変えます。
その空気振動を出口を狭めて管の中を通すことにより、空気の速度が速くなるので振動が増幅されることになります。
それを段々と口径が広がるホーンの中を通すことにより、それぞれの場所々々で音の波長に合った共振が起き、大きな音を作り出せるようになっています(講義された先生の請け売りですが)。

因みにホーンは紙製で漆が塗ってあります。
良い音、大きな音を出すために計算し尽された蓄音機でした。
設計した当時(私の生まれる前)の技術者に敬意を表します。

IMG_1859-1.JPG

(ホーンが箱内に納められたものと、このように外に出した形のものがある。) 





posted by ふうちゃん本舗 at 10:15| 店主敬白